バーゼル合意と特殊な債券
■バーゼルI、II、III
銀行を対象とした国際金融規制を行うバーゼル銀行監督委員会という期間があります。
この機関が定めた基準をバーゼル合意といいます。BIS(Bank for International Settlements)規制と呼ばれることもあります。
時代にそって、バーゼルⅠ、Ⅱ、Ⅲが合意されました。
・バーゼルⅠ…1988年に策定。自己資本比率8%以上。
・バーゼルⅡ…2004年に改定。自己資本比率規制が厳格化。
・バーゼルⅢ…2010年に改定。自己資本比率規制がさらなる厳格化。2013年から段階的に実施され、2019年から完全に実施される予定。
日本の銀行の自己資本の決まりは下記の通りです。
海外営業拠点を有する銀行→国際統一基準で8%以上(バーゼル合意に準拠)
海外営業拠点を持たない銀行→国内基準で4%以上
■バーゼルⅡ→優先出資証券
優先出資証券(preferred securities)(wiki)、劣後債といった金融商品があります。
優先出資証券と優先株式の違いが私にはわかりません。
社債のような金融商品ですが、普通社債と比較して、明確な償還日が定められていない、株なのに議決権がないといった不利な条件がある分、金利が高い商品です。
自己資本に組み入れ可能なため、金融機関などが発行しているそうです。
日本の証券会社でも購入できるETFがあります。
2014年10月31日 過去12ヶ月分配金利回り6.92%、直近分配金利回り5.72%
面白そうなので購入してみようと思います。
同様のETFをみつけましたので、こちらも購入してみることにします。
★PowerShares Preferred ETF (PGX) TotalExpenseRatio0.50% 米Yahoo PowerShares
■バーゼルⅡ→優先出資証券の日本の投資信託をみつけた!
ところで、これら3つを併せて為替ヘッジをした日本のファンドを見つけました。
新光-優先株ETFファンド(毎月分配型・ヘッジあり)です。
0.5%前後の信託報酬のETF3つを併せて為替ヘッジした(だけの)ファンドで1.08%の信託報酬をとり、また購入時手数料3.24%も必要というのはもったいない話です。
運用会社の立場に立てば、0.5$のさやしか抜いていないし、販売手数料を多くしないと販売してもらえないし、仕方ないとは思います。
ただ投資家側の立場に立てば、米国IB(InteractiveBrokers)証券で購入するという手間を惜しむことなく節約すべきだと思います。
300万円10年間投資したとして、24万円の節約です!
■バーゼルⅢ→CoCo債券
バーゼルⅡより厳しくなったバーゼルⅢでは優先出資証券は自己資本に組み入れはできなくなりました。
(詳しくはTier1、Tier2、Tier3などを勉強しないといけません)
そこで考え出された金融商品がCoCo債(Contingent Convertible Bond:偶発転換社債)で、CoCO債であればバーゼルⅢでも自己資本への組み入れが認められるそうです。
CoCo債は自己資本比率があらかじ定められた水準を下回った場合や、当局が発行体を実質破綻状態であると認定した場合に普通株式に強制転換されるか元本が削減されるというリスクがありますが、高利回りです。
■バーゼルⅢ→CoCo債券の日本の投資信託を見つけた!
個人投資家がCoCo債をファンド経由で購入できるようになるようです。
日興アセットマネジメントより国内籍投信で初の「グローバルCoCo債ファンド」が2014年9月1日より運用開始されるのです。リンク
購入時手数料3.24%、信託報酬年率1.76%。高いですね(-_-)
実際の運用はアルジェブリス・インベストメンツ(UK)エルエルピーという英国のヘッジファンドが行うようです。
資料(リンク)によると「たこ足配当」を行うとかかれています。私は絶対に購入しません。
Vangurdあたりから低コストのCoCo債の商品が発売されたら購入してみたいとは思います。(既に発売されているのかもしれませんが、見つけられませんでした。)
(2014/12/04)
December 4th, 2014