債券への投資は気が進まないのでREITに投資
■債券が入っていないポートフィリオは邪道?
「ポートフィリオに債券を入れて分散投資する」 常識的、教科書的なアセットアロケーションです。
債券は株式よりリターンは低いですが、リスクは低く、また株式との分散効果がありますからね。
(分散効果については現代ポートフォリオ理論というキーワードで検索してみてください。リターンはを犠牲にせずにリスクは下がるという、従来は直感的に投資家が行っていた素晴らしい投資方法を理論づけてすっきり理解できます。)
株式と先進国国債が負の相関になっているのは直接的な相関関係というよりは、金利を介しての負の相関なのかもしれません。
例えば株式が上がる好景気のときは金利が上がり、金利が上がるため先進国国債価格が下落するという関係です。
■先進国債券に投資する気が起きない
ポートフィリオに先進国国債をいれるのが常識というのは、通用しない状況になっていると私は思っています。
リーマンショック後の先進国の金融緩和競争により、先進国債券のリターンは低くなっています。
金利が低くても、債券価格が上昇することが期待できればいいですが、それも難しいでしょう。
債券価格は金利が下がると上がりますが、金利を下げる余地が算数的にないですからね。
現在の先進国債権を株にたとえると、下記のようにいえると思います。
「配当はほぼなく、株価の上昇も期待できない。ただ他の株が下がったときに、上がる可能性が高い。上がるといってもその額はわずか。」
多くの人は上記のような株は買わないと思います。
すいません、上記用語の使い方が不正確、乱暴と思いますが、私の言いたいことは伝わっていると思います。
■新興国債券、ハイイールド債は株との相関係数が高い
それでは現在でもリターンを期待できる新興国債券、ハイイールド債に投資するというのはどうでしょう。
株との相関係数が0.6-0.7と高く、分散効果は低いのです。
株との分散投資目的ではなく、株を買い増すような気持ちで保有すべき金融商品です。
そうはいうものの相関係数が1.0ではないので、私はある程度保有しようと思います。
■結局のところ
私は現在先進国債券には投資していません。
新興国の米ドル建て債券を少額保有しています。
iShares JPMorgan USD Emerg Markets Bond (EMB) L
また債券(社債)に分類されるかどうかさえ私自身もよく分かっていない金融商品を配当にひかれて少額保有しています。
PowerShares Preferred ETF (PGX) L
PowerShares Financial Preferred ETF (PGF) L
iShares US Preferred Stock (PFF) L
PowerShares Senior Loan ETF (BKLN) L
以前に書いたエントリー「バーゼル合意と特殊な債券」
上記5商品合計して、私の資産の1%ぐらいでしょうか。
債券の比率があまりに低いですね。
もう少し増やすべきだとは思いますが、悩むところです。
■債券よりREIT
もしかしたら昔はなかったREITという金融商品が、現況では昔の債券のような役回りをしてくれるのかもしれません。
全世界株式との相関係数は、先進国REITは0.87、新興国REITは0.53です。
新興国REITの割合を増やそうと思います。
Vanguard Global ex-US Real Estate ETF (VNQI) L
ただREIT市場としては、新興国REITはまだまだ小さいのが気にはなります。
■参照
●日経新聞~超低利下の分散投資、債券組み入れは見直すべきか
"あらゆる年限の金利が0.5%上昇すると、NOMURA―BPI連動の運用では保有債券の価格が4%下落する。利息収入などを勘案しても1年間の投資リターンはマイナス3.3%になる。金利上昇幅が1%なら、債券価格の下落率は8%だ。"
"債券はインフレに弱い資産でもある。米国ではインフレが続いた40年代や70年代、国債を中長期で保有しても、物価上昇率を上回る投資成果を上げられない時期が続いた。"
"単純に安定した利息収入を求めるなら、現在でも5%程度の利回りが期待できる、米国ハイイールド債やドル建て新興国国債で運用する投資信託が選択肢に挙がる。"
"世界の金利が上昇すれば価格が下落するのは同じだが、利回りが高い分だけ利息収入も多いため、先進国国債などに比べれば資産価格の回復は早い傾向がある。2008年のリーマン危機時にも、米ハイイールド債指数は1年足らずで下落幅を埋めている。"
■SHINOBY'S WORLD~債券の利回り低下問題は、金融資産だけでは解決しない
"株式、債券、REITといった金融資産ばかりですが、ここに実物資産(不動産)を組み合わせることで問題解決ができる可能性があります。"
"日本における資産運用で欠けているのは、金融資産と実物資産を組み合わせるという発想です。金融の分野にいる人たちは実物資産の世界を考慮せず、実物資産の世界の人は金融資産の知識が無いのです。"
(2015/05/24)
May 30th, 2015