一夜にて2.28%の利益
2013年現在の消費税は5%です。2014年4月には8%に上がることが決まっています。2015年10月には10%に上がる見込みです→延期

地金を購入するときには一般消費財と同様に消費税がかかりますが、地金に特徴的なのは売却するときに消費税が還ってくるのです。

消費税5%のときに購入し、8%のときに売却すると、差し引き3%得することになります。

手数料が安い第一商品で地金購入した場合は、売買にかかるコストは0.72%です。

ということは消費税増税前日に購入し、増税日に売却すると一夜にて 3%-0.72%=2.28% の利益がでることになります。

地金1kg 430万円として、一夜で98000円の利益です。(売買手数料にかかる消費税などで細かい誤差はあると思います。)

■過去2回は消費税増税前後でゴールドは値下がりしていた

過去の消費税増税の際にはどのような値動きだったでしょう。

株の場合には権利落ち日の翌日には株価が下落傾向になることはよく知られていることです。

▼1989年(平成元年)4月1日 消費税3%導入
 3月平均 1665円/g 390.21(米ドル/トロイオンス)
4月平均 1666円/g 384.40(米ドル/トロイオンス)

1997年(平成9年)4月1日 消費税5%に増税
3月平均 1439円/g 346.05(米ドル/トロイオンス)
4月平均 1440円/g 338.95(米ドル/トロイオンス)

両時期とも円安に進んだようで円価格ではほとんど動きがありませんでしたが、ドル価格では下落が認められます。

ドル立てで金価格が下落したのは、上記戦略の影響か、偶然か。

調べるすべはありませんが、私は偶然だと直感します。全世界の金取引における日本人投資家の上記戦略を採用した金投資額(消費税の課税事業者は上記戦略は使えない)の影響なんて微々たるものだろうからです。

論点はずれますが、上記時期に円安に進んだのは必然か偶然かも議論の分かれるところでしょう。

円安に進んだのが必然なら上記戦略を行うより米ドルを購入しておいた方が儲かるでしょう。偶然なら上記戦略はやはり有効ということになります。


■金価格下落に備えて

私は全ての投資においてヘッジは行わない方針です。
ヘッジを行うにはコストがかかるので、もったいないからです。

その代わりに個々の投資にはそんなに大金はつぎ込みません。
投資において予想外の結果になることは日常茶飯事だからです。

そうはいっても利益率が下がってでも、できる限り損はしたくない人間心理は存在します。
プロスペクト理論(ノーベル経済学賞受賞)というようです。

そのため上記戦略のヘッジ方法として下記のような戦略を思いつきました。
繰り返しになりますが、コストがかかるので、私は行いません。

・金の先物取引を組み合わせる
・金価格と相関係数が逆のものを買っておく
・金価格は為替に影響を受けやすいので、外貨買い、もしくは円売りをしておく
・金ETFを空売りしておく
・金ベアファンドを購入する

ただ税制上、損益通算にならない場合が多く、高額所得者はヘッジしきれないことに注意が必要です。

■まとめ
個人的には金は大きく値下がりすることはないと思っているので、
短期売買するつもりはないですが、消費税増税前に購入しておこうと思います。



(2013/11/25)


■実行結果

上記戦略にて利益はでました。

2014年3月31日 4520円/gにて購入。
2014年4月2日 4601円/gにて売却。
 差し引き 81円/g(1.8%) のプラス
(利益から税金を支払い、交通費も必要です。)

資金を用意すること、それに加えてごく短時間とはいえ地金の価格変動リスクに対する適正な報酬だったのか、フリーランチだったのかは分かりません。


■次回もチャレンジするか

今回はうまく利益がでました。

次回の消費税増税は1年半先送りされて、2017年4月の予定です。

8%が10%になります。

前述のとおり計算すると利益は1.28%です。

手間暇を考えると、ある程度の金額の日本円キャッシュを用意しないと割にありません。

資産をキャッシュのままおいておくのはもったいないです。

かといって、投資している資産をキャッシュに戻すのには手数料と税金がかかります。

次回の消費税増税のときには、今回のようなことは行わないことにします。


(2015/06/04)