■若手は全員エコーできました

私の世代以降、私が勤務していた病院では若手の医師はほぼ全員エコーできました。診察室や救急室やICUにはいつもエコー機があり、自由にエコー機を使えました。若手の頃はそれがあたり前と思っていたので、優秀なベテランの医師にエコー検査やエコーを利用しての処置を依頼された時には驚くと同時に、ベテランの医師に恩返しできるんだとうれしくて、はりきって依頼に応えていたのを覚えています。

ICUの患者に連日のようにエコーしたこともありますが、診療報酬はどうなっていたんでしょうね。当時はそんなことは考えたこともなかったですし、そんなことを考えるようにも指導されていませんでした。20年以上前とはいえ、遠い昔のように感じます。

当時、別の病院に2ヶ月ぐらいいったときにがあり、その病院は自由にエコーができない雰囲気でした。そこは経営マインドの強い病院でした。朝の朝礼で、経営状況などが伝達されるのです。その病院ではエコー検査の担当者は医師ではなく、検査技師でした。同じ業務なら、医師より時給の低い検査技師にオーダーできれば経営的には改善するという考えでしょうね。

今の若手の医師はどうなんでしょうね。検査技師に任せて、エコーは苦手なのでしょうか。それとも、ほぼ全員エコーはできるのでしょうか。

私は父親のクリニックを継承しました。父親に尿沈渣をみられないといいました。すると父親には尿沈渣をみられない医者なんて聞いたことがないとあきれられました(T_T)。ですが、私のいた病院では尿沈渣は検査技師任せで、みられない医者が普通でした。環境によって、医者の能力は変わるんですね。


■エコー機購入しました

そんな状況なので、私は父親からクリニックを継承した際、エコー機を購入しました。

勤務医の頃は、エコー検査室で1時間に4人ぐらいエコー検査していました。流れ作業で、エコー所見を書いている間に、介助の看護師が患者をベッドに誘導したり、IDや生年月日などをエコー機に入力してくれたりしていました。検査後にゼリーを拭いたりともしてくれていました。今思えばラクチンでした。

開業すると、そういった準備が面倒でした。スタッフにしてもらうには、スタッフがそういったことをできりように訓練を自身でしないといけません。当初は診療時間前に検査時間枠を設けて検査をしていましたが、面倒になりじきに検査しなくなってしまいました。

検査室ではなく、診察室にエコー機器を置いて、診察の際にエコー検査をすることも考えました。いまどきはそうなっているクリニックも多いようですね。産婦人科ではそれが標準的な気もします。聴診器代わりという言葉もありますよね。ただMicrosoftWindowsベースのエコー機で起動に数分かかり、また起動しておいておくにはファンの音がやかましくて、それも嫌になりました。

また病院の診療では、診療時間がエコーをする15分延長しても織り込み済みのような雰囲気もありましたが、当院では30分も待たせると「お待たせしてすいません」といった雰囲気です。隣り町では長時間待つクリニックも多いのですが、当院のある町では待ち時間が短いクリニックが多く、30分も待たせたら遅いという雰囲気になってしまっています。


■携帯型エコー機

時代は推移し、ポケットに入るような携帯型エコー機が広がってきました。ドップラー検査できる機器もあります。画質も昔よりは改善しているでしょう。勤務医の頃のノートパソコンぐらいのエコー機も使いましたが、状況にもよるのですが、移動も便利で気に入っていました。

往診にも使えるでしょうし、診察室で気軽に使えそうです。

当院にある据え置き型エコー機、8年ぐらい前に購入したのですが、いくらだったかは忘れました。300万円か400万円ぐらいだった気がします。

ドップラーができる携帯型エコー機でも100万円弱であるようです。

据え置き型エコー機を30万円ぐらいで売却して、70万円ぐらいの投資で携帯型エコー機を導入できないか検討しました。

そこで据え置き型エコー機をインターネットで見つけた中古医療器買い取り業者に買い取りの見積もりを出してもらいました。すると見積価格は1万~2万円とのこと。あまりの低さにびっくり。

ついでに見積もりを出してもらったスパイロメーターにいたっては、買取できないとのこと(T_T)

中古医療機器って安くなってしまうんですね。とほほほ。

携帯型エコー機の導入は、今回は決断には至りませんでした。
でもやっぱり欲しい気もするなぁ。後日購入するかもしれません。


(2015/10/26)