日米の上場インフラファンド→購入
■上場インフラファンド=日本では太陽光発電ファンド
上場インフラファンドなるものを知りました。2016年6月から日本でも設定されたそうです。REITが不動産に出資しているのを、インフラにしたものです。インフラ全般が対象になりうるのでしょうが、現在、日本で上場しているのは太陽光発電のファンドだけです。
下記の4銘柄があります。
9281 タカラレーベン・インフラ投資法人
9282 いちごグリーンインフラ投資法人
9283 日本再生可能エネルギーインフラ投資法人
9284 カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人
メリットとデメリットを検討してみました。
●メリット
・高い利回り。
・利回りにみあった株価に上がることによるキャピタルゲインを期待できる(現在大手ファンドは購入できないぐらい取引規模が小さい。)
・太陽光発電の機器が値下がりすることが予想される。
・デフレに強い
●デメリット
・インフレに弱い
・REITと同じく資金を借り入れて運用質しているので、金利の上昇はマイナス。「いちごグリーンインフラ投資法人」などは、長期借入金はすべて金利スワップで固定化しているので、金利上昇の影響は限定的になるようですが。
・国が太陽光発電の条件を厳しくしてしまう。2012年7月から20年間の売買価格は保障されてはいますが(固定価格買取制度)、約束は破られる可能性もあります。今後も徐々に買取価格は下げられていくでしょう。
・地震や津波による発電施設の損傷。
■米国では3つ
米国の上場インフラファンドを調べてみました。米国のインフラファンドには、MLP、YieldCo、SolarREITの3種があります。日本だと上述のようにSolarREITだけになりますね。
MLP、YieldCoというのはインフラに関わっているかどうかの分類ではなく、株式会社ではない上場の形態です。インフラに関わっていない企業も多いです。SolarREITというのは、REITと別個ではなく、太陽光発電プロジェクトを不動産としているREITを特にSolarREITと呼んでいます。REITの中にSolarREITは含まれているということです。
●MLP(マスター・リミテッド・パートナーシップ)…対象はエネルギー関係が多いですが、エネルギーに限定されているわけでもないです。44%を占めるのがパイプラインの運営で、手数料収入を得ています。手数料収入なので理屈上は原油価格の動向に左右されにくいはずだそうです。しかし実際には非常に値動きが激しいです。
上場インフラファンドの話題から外れてしまいますが、ブラックストーンの話をさせてください。投資ファンならしっているiShares。iSharesシリーズを作っているブラックロック社を配下に置くThe Blackstone Group(NYSE: BX)もMLPのようです。一般的な株式会社に課せられるガバナンス規制などを避けるためのようです。
MLPに直接投資すると税務手続きが非常に複雑になるそうです。なので個人投資家はETF、ETNを経て投資するようです。
有利なパススルー税制を享受できるETNが個人投資家に最も適していそうです。具体的にはJPMorgan Alerian MLP Index ETN(AMJ)リンクですね。こちらも値動きは激しいですね。β1.36 Yield6.73%
●Yield Co…MLP 適格事業以外が対象。株式会社形態。有利なパススルー税制の対象にはなりません。YieldCo Index ETF(リンク)というインデックスファンドもありますね。下記のような構成です。
●Solar REIT…REITとして認められる的確用件として、不動産が対象というものですが、太陽光発電プロジェクトも不動産として認められるようになりSolarREITが誕生しました。
Hannon Armstrong Sustainable Infrastructure Capital, Inc. (HASI) Yahoo Yield6.62% β0.55
■私はキャピタルゲイン目的で日本のインフラファンドを購入してみます
インフラファンドの状況は日米で異なりますね。日本は国策の電力買取を前提にしたファンドが4つあります。日本独特の事情としては、政府による20年間の固定価格買取ですね。
日本で利回り6%というのは高いと思います。また運用規模が小さく、大手機関投資家が入っていていません。キャピタルゲインも期待できます。
日本円で利回り6%でキャピタルゲインも期待できる金融商品はなかなかないと思います。ですので私は購入することにします。
4銘柄のうちどれを購入するかということですが、優劣の判断がつきかねましたので、4銘柄に分散して投資しようと思います。
■外部リンクなど(リンク切れはご容赦ください)
●インフラファンドのメリット・デメリットを解説!「J-REIT」と比較しても、「インフラファンド」には高利回り+安定度、不況に強いなど、メリット多数!~Zai
"太陽光発電施設や港湾施設などの「インフラ」を保有して、そこらか得られる収益を投資家に分配します。2018年4月20日時点で4銘柄が東証に上場していますが、それらはすべて太陽光発電施設を保有する「インフラファンド」になっています。"
"「J-REIT」と同じく利益の90%以上を分配すれば法人税が免除"
"日本初の「インフラファンド」である「タカラレーベン・インフラ投資法人 投資証券(9281)」が上場したのは2016年6月2日"
"太陽光などの再生可能エネルギー源によって発電された電気は、2012年7月に始まった「固定価格買取制度」があるので、20年間、売電価格が固定されています。"
●米国の上場インフラファンド市場を巡る動向 –MLP、YieldCo、ソーラーREITの考察–~日本取引所グループ
すごく勉強になります。
●特集!インフラ投資法人「タカラレーベン・インフラ投資法人」インタビュー
●特集!インフラ投資法人「いちごグリーンインフラ投資法人」インタビュー
●特集!インフラ投資法人「日本再生可能エネルギーインフラ投資法人」インタビュー
(2018/08/16)
August 11th, 2018