■イールドスプレッドが小さい

世界的に株高の傾向です。

Search for yield の対象が、新興国債券、ハイイールド債から株式にまで広がってきているのです。

債券と比べて株式の利回りが高いという状況があるようです。

投資の業界ではイールドスプレッド(=配当利回り-10年債利回り)が小さいと表現するようです。

「小さい」という表現は数学的には間違いで、イールドスプレッドはマイナスが普通で、マイナスの絶対値が小さいということと理解しました。 ← 私の理解が間違っていたら教えてください(;^_^)

この現象は株式の配当が高くなったというより、各国の歴史的な低金利(米国も利上げを遅らせています)から生じています。

そこでキャピタルゲインではなく、インカムゲインをもとめて仕方なく株式に資金が流入しているようです。

そのため食品や医薬品といったディフェンシブな銘柄に人気が集まっているようです。

そういわれれば、私自身の投資もそのようになりつつあります。

またキャピタルゲインという面でも、利上げによる債券価格の下落の方が、株価の動きよりリスクが高い気がしています。


■利上げに警戒

配当性向が低く、配当を上昇させる余地のある日本株が上昇した理由はアベノミクス以外にもこういうところにもあるのかもしれません。

利上げにより債券価格と株価が下がるというのは教科書的な知識です。

どちらかというと債券価格の方が確実に下落するというイメージでしたが、配当利回りに注目されて上焦してしまっている株価も油断ならないですね。

しばらく利上げがなさそうな日本や欧州では高配当銘柄を多めにし、利上げが迫っている可能性がある米国や新興国では高配当銘柄を少なめにするという戦略がありうるかもしれません。

■参考

●イールドレシオとイールドスプレッド 野村証券 L

"ともに、株式益利回り[一株当たり利益÷株価=株価収益率(PER)の逆数]と、長期国債などが示す長期的な金利水準とを比較したもので、株式相場の水準が割安なのか割高なのかを債券と比較して判断する指標として使われる。イールドレシオは、長期金利を株式益利回りで割ったものであり、イールドスプレッドは、長期金利から株式益利回りを差し引いたものである。イールドレシオやイールドスプレッドが小さくなるほど、株価の割安感が強くなる。長期的な視点で見る場合には、イールドレシオを用いることが多い。"

(2015/05/10)