■専業主婦志向

数十年前は「妻が外で働きたいといったときに、夫がそれを許容するか」といった議論がよくありました。

「許容するどころか、妻に外で働いていてほしい」という男性が増えてきているようです。

つまり「外で働きたくない妻、妻に外で働いてほしい夫」という状況になりつつあるようです。



上図、第5回家庭動向調査より引用。第1回1993年、第2回1998年、第3回2003年、第4回2008年、第5回2013年。


■男だって働きたくない

専業主「夫」になりたいと言い出すのは、社会的に言い出しにくい雰囲気です。

ですが、正社員ではたらきたくないという意見は社会的にも認知されつつあるようです。

最近、人材派遣会社が「ゆるい就職」という労働形態を提唱し話題になりました。



サイトをみると、やる気があり、かつ若いが、ミュージシャンになりたいといった将来の夢のために労働時間を制限したいという人が対象のようです。

正社員になれないからではない前向きな短時間労働です。

このような若者を低賃金で雇えるなら、単純労働者を必要とする職場は歓迎するでしょう。

フリーターという用語ももともとはこんな感じで使われていたと思います。

理解できなくもありません。

夢をかなえられる人もいるでしょうが、大部分の人は夢をあきらめ、正社員になっておけばよかったと思っているのではないでしょう。

また「将来の夢に向かって」というのは「当面はつらい(正社員)生活を避けたい」という本心を隠すための理由づけの人が多い気がします。

わが子が自ら非正規雇用に就こうとすると強く反対すると思います。

年齢とともに時給に差が開くこともくわわり生涯賃金に大きな差が開いてしまいます。

社会保障、結婚、社会的地位の面でも不利でしょう。

また熟練労働者になり働くことによる社会貢献が減り、自分自身の人生への満足度が減るように思います。



■不本意非正規は少数派

正規雇用に就けないので仕方なしに非正規雇用についている人を不本意非正規というようです。

不本意非正規は下記統計によると少数派です。

すなわち自ら望んで非正規雇用に就いている人が多いのです。

子育て、介護、健康問題により正規雇用に就くのが困難な人も多いでしょう。

しかしそうでなければ、「雇用より労働力が足りない」ことにより経済的停滞をみせつつある日本の経済情勢なのですから、是非とも正規雇用に就いていただきたいものです。





上図は厚労省より