Zero to ONE
■ブルーオーシャンをさがせ
スタートアップについて書かれた話題の本です。
著者はPayPalを立ち上げた人物。
市場を独占することの重要性を繰り返し訴えています。
ブルーオーシャンをさがせということですね。
現在あるサービスの改良ではなく、新しいビジネスを立ち上げろということです(Zero to ONE)。
独占すれば利益を得られますが、独占できていなければ価格競争に陥り利益がえられません。
それはそうなのでしょうが、ブルーオーシャンをさがすことは難しいですよね。
■独占は悪いことか
独占企業は利益を得られる。
利益を得ることができる企業により革新が起きるので、企業のためならず、社会への貢献につながる。
ゆえに独占は悪いことではないということです。
独占せずに多額の利益を得て研究開発に投資できる企業の方が、社会的な貢献度は大きいという理屈も成り立ってはしまいます。
■スタートアップ
自分が社会の進歩に貢献できる、、、なんて夢のような状況です。
実現できたらいいなぁとは思いますが、今のところ私の人生は実現できていませんし、今後も実現できる見込みはありません。
本書はスタートアップすることの実践的な手順書でもありませんし(もちろん参考にはなると思います)、社会にイノベーションを起こせと鼓舞する内容でもありません。
私のようなスタートアップに憧れる一般の人が、娯楽として読むような内容と思いました。
■参考
●ゼロ・トゥ・ワン―君はゼロから何を生み出せるか 単行本 – 2014/9/25
ピーター・ティール (著), ブレイク・マスターズ (著)
"独占企業は責められて当然だ。ただし、そう言えるのは世界がまったく変化しない場合だけだ。変化のない世界では、独占企業はショバ代を徴収する存在でしかない。市場を独占すれば、自由に価格を上げることができる。"
"クリエイティブな独占企業は、まったく新しい潤沢な領域を生み出すことで、消費者により多くの選択肢を与えている。クリエイティブな独占企業は社会に役立つだけじゃない。それはより良い社会を作る強力な原動力になっている。"
"独占企業を取り締まる一方で(独占禁止法違反を訴追して)、独占を生み出すための政府機関が存在する(発明を特許で守る)"
"進歩の歴史とは、より良い独占企業が既存企業に取って代わってきた歴史なのだ。"
"彼らには長期計画を立てる余裕と、競争に追われる企業には想像もできないほど革新的な研究開発を支える資金があるからだ。"
"ティールの法則~創業時がぐちゃぐちゃなスタートアップはあとで直せない。…はじめに判断を間違うと、たとえばパートナー選びに失敗したり、できない人間を雇ってしまったりすると、あとでなかなか修正できるものではない。破産の瀬戸際まで追い詰められない限り、誰もそれを正そうとしない。創業者の第一の仕事は、いちばんはじめにやるべきことを正しく行うことだ。"
"「企業文化」は企業そのものから離れては存在しない。企業にとって文化とは持つものじゃない。企業そのものが文化だ。"
"時間はいちばん大切な資産なのに、ずっと一緒にいたいと思えない人たちのためにそれを使うのはおかしい。"
"健康保険のような基本をカバーしたら、あとは他社にできないことを約束すべきだ。それは、すばらしい仲間と独自の問題に取り組める、替えのきかない仕事のチャンスだ。おそらく報酬や福利厚生では2014年のグーグルに勝つことはできないけど、使命とチームについての正しい答えがあれば、1999年のグーグルになることができる。"
"ひとりにひとつの責任を任せることだった。…役割をはっきりさせることで、対立が減ったのだ。"
(2015/08/26)
September 7th, 2015